わたしとあなたのありのまま
「やること自体は同じだろーが」

 言ってまた、田所は可笑しそうに笑い声を上げた。
 でもすぐにそれは止み、

「なぁ、お前……
 まだ俺のこと好きだろ?」

 穏やかな口調で田所が問う。


 私は振り返らず、田所に背を向けたまま。
 というか、振り返ることができなかった。

「田所なんか、好きじゃない。
 田所のこと見てるだけで幸せとか、ないから。

 寝起きのダサ写メ、一日に何度も見たりとか、
 そんなことミジンコたりともしてないから」

 言ったら、


 涙が溢れてきた。


「メチャクチャ好きじゃねぇか」

 そう言って私の後頭部を小突き、田所はまた笑う。

 何が可笑しいんだろう。
 私はこんなにも苦しいのに。



 だって田所は……


< 49 / 318 >

この作品をシェア

pagetop