SUMMER TIME LOVE
「ナナって……コイツお前の犬?」
男の子は撫でていた手を止め、パッと顔を上げてそう言った。
お…お前って…。
初対面で何かちょっと失礼じゃない?
なんて一瞬思ったけど、そんな思いはすぐどこかに吹っ飛んでいった。
だって……
カッコイイ!!!
この人、めちゃくちゃカッコイイんですけどっ!!
栗色の長めの前髪をサラッと揺らし、見上げられたその瞳はブラウンで吸い込まれそうな程綺麗だった。
ドキドキドキドキ…
自分の心臓が早くなるのがわかった。
「おい?」
「…!!」
その男の子に見とれてポーッとしていたあたしは、その声でハッと我に返った。
「あ…そ…そうです!す…す、すみませんですっっ!!」
ってかあたしどもりすぎだし!!
日本語も変だし!!
恥ずかしくなったあたしはパッとナナのリードを拾い上げると、ペコッと頭を下げてこの場を立ち去ろうとした。