サンタクロース
「よかった…自分で、死のうって思っても、死ねなかったんだ…助かるよ、サンタさん」
「…そう」
トリガーを引く。
ガチリ、と言う機械的な音が部屋に響く。
「これで、妹の所に行けるよね」
「多分…」
微笑む少女に銃を向けて引き金を引く。
大きな騒音とともに、少女はその場にパタリと倒れて動かない。まるで忘れられた人形のように、不自然な格好をしている。
「多分…行けないと思うよ、あんたは地獄だ。妹の居る天国じゃない」
「人を殺したんだ、そうだろうね」
いつの間にか背後に立っていた男は僕の顔を見て微笑む。