孤高の天使
次の瞬間―――――
「イヴッ!」
迷いなく叫ばれた名に涙が溢れた。
涙で視界が歪む。
その時はもう天界へ帰りたいと思っていたことも忘れて、叫んでいた。
「ラファエル様!」
胸につかえていた想いと共に名を呼ぶ。
ただ…気づいてほしくて。
暗闇の中で消えてしまいそうなほどちっぽけな私に。
私の存在に……
しかし―――――
何度呼んでもラファエル様に私の声が届くことはなかった。
きっと…こちらの声は向こうには届かない…
「ラファエル様…ふっ…く…」
さすがのラファエルも声が届いていないことに訝しげな表情をする。
「アメリア、あれは一体どういうことだ?」
ギリッと噛みしめ、聞く者を震え上がらせるような低い声でラファエルが問う。
しかし、完全に形勢が逆転したと思ったアメリアは笑って応える。