孤高の天使
こんなの卑怯だ。
ラファエル様が“イヴ”のことを大切に思っていることを知っていて。
自分が“イヴ”と同じ容姿をしていることをいいことにこんなこと…
けど―――――
嬉しかった…こんな私を助けようとしてくれることが。
もちろん“イヴ”が前提にあると言うことはわきまえている。
それを全部ひっくるめても嬉しかったの。
ラファエル様のまっすぐな言葉が私の胸をギュっと締め付けて。
“俺を信じろ”
その言葉に縋り付いてしまいたいほど気持ちが溢れてくる。
だからだろうか……
私が闇に堕とされる数秒前―――
こちらの声が届かないと分かっていて口にした言葉。
いつも貴方がくれた言葉を私は口にする。
ラファエル様……
『 』
「ッ……やりなさい!」
その言葉を口にした瞬間、唯一私の声が聞こえていたアメリアが叫ぶ。
パッと私の体を縛り付けていた十字架と弦が消え…
私の体は闇に放り出された。