孤高の天使
イヴの体が光の粒子となって消えた後、地面に落ちる魔剣と指輪。
ゆっくりと目を開いたラファエルは地面に落ちた指輪を見て表情を歪める。
そしてその指輪を拾い上げ、ギュッと握った。
『忘れるわけ…ないだろ』
握った拳を胸にあて、声を絞り出したラファエル。
ドクン…と心臓が嫌な音を立てる。
「何で…ラファエル様は記憶を消されたんじゃ…」
指輪を握りしめて俯き涙を流すラファエルを呆然と見ながら呟く。
すると隣で見守っていた神が応える。
「貴方の忘却の能力は完全ではなかったのです」
神の澄んだ青い瞳が揺れる。
「あれは元々私の力の一つでした。この頃、私は次の神である貴方に力を一つずつ与えていっていました」
「私が神様?」
「えぇ、そうです」
思わぬ真実に驚きを隠せなかった。
あの様子では次の神はラファエルかミカエルだと思っていたから。
「けれど、この時はまだ未完全でした。そして、あの魔剣により貴方の聖力は弱まっていた。ラファエルの記憶を消すことは出来なかったのです」
神の言葉に愕然とした。