孤高の天使


短くも長く感じる時の流れは時間にして僅か1秒も経ってはいなかった。

そんな時間の流れの中、私が次に目を開いた時は眩しいくらいの光と軋むような体の痛み。




そして――――


「ッ…なにッ!」


驚愕の表情をしたアザエルだった。

アザエルの視線は突然至近距離に現れた私に、そして私の背後で地面に倒れ込むラナに向けられ、察したのだろう。

すかさずラファエルに向けていた剣の軌道を修正に入るが、遅い。

少し遠いが、痛む体に鞭を打って持っていた聖剣をアザエルめがけ、突きたてた。





「グッアァァぁぁああ!」


アザエルの苦悶の声に思わず脇腹に刺さった聖剣から手を放す。

急所は外れたがその効果が絶大だということは目の前の光景で分かる。

残り少ない魔力が聖剣によって浸食され苦しみ、聖剣を抜こうと伸びた手も掴んだ瞬間、溢れんばかりの光がアザエルを襲った。




「イヴ…貴様……ッ…」


アザエルは憎しみを込めた声を絞り出しながら意識がプツリと切れたようにその場に倒れた。

アザエルが前のめりで地面に倒れ込んだ瞬間、周りを囲んでいた四枚羽の天使たちが我に返ったように辺りを見回す。





「え?…あれ?俺たち何でここに居るんだ?」


最初に声を発したのはガブリエルだった。

何かを振り払うようにして頭を振り、目を細めて辺りを見回す。



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