孤高の天使


ラナの能力は瞬間移動の様なものだ。

何故“様なもの”なのかというと、私たちにはそう見えてしまうから。

実際はある一定の空間における時間を止め、ラナがその間を移動しているため瞬間移動に見えてしまうらしい。

けれどラナの能力で空間を移動できるのは能力者であるラナだけだ。

しかもこの能力は空間の範囲、時間を止める長さで大きく左右され、当然空間が広ければ広く、時間が長ければ長いだけ聖力を消費する。



先ほど、私がアザエルの前に瞬間移動していたように見えていたのはラナの能力のおかげだ。

これだけの人数を囲う範囲の時間を止め、アザエルまでの距離を移動するには中位天使のラナにとって相当な聖力を消費してしまい、アザエルに到達したとしても聖剣なしに一矢報いることなどできない。

そこで、ラナに私を抱えてアザエルの前まで連れて行ってくれるよう頼んだのだ。





「もっと近づけてあげられたら良かったんだけど、あれが限界だったみたい」

「ううん、十分だった。ありがとう。ラファエル様を助けることが出来たのはラナのおかげよ」


私とラナがお互いの無事を喜んでいると、コホンと横から咳払いが割って入る。




「よく状況が飲み込めないんだが、私たちに分かるように説明してくれないか?」

「ウリエル様これは…」




「それは私が説明いたしましょう」


周りの天使たちを代表して口を開いたウリエルに応えようとしたその時、空から声が降ってきた。

見上げた先にはイリスとリリス、そしてルルに支えられた神がいた。




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