孤高の天使


「すぐにあのルーカスという悪魔と魔獣も追いつくでしょう。貴方の部下なんでしょう?ラファエル」


神の問いにフンと顔を逸らしたラファエルに、神はもう遠慮はしなかった。



「貴方の周りにはこんなにも貴方を慕う者が出来たんですね。私は嬉しいです」

「別に俺は変わったつもりはない。過去も今も俺にとってはイヴだけが全てだ」

「そうですね。けれどそのイヴを愛する心が周りの者の心も動かしたのです。天界まで追いかけてくれる悪魔もそうそういないと思いますよ?」


聞こえてくる神とラファエルの会話にホッと安堵する。

一時はどうなることかと思っていたけど、誤解が解ければ何のことはない。




「イヴ?」


訝しげな表情のラファエルに名を呼ばれて、初めて自分が微笑みながら涙を流していることに気付いた。

慌てて涙を拭いながら心配して顔を覗きこむラファエルに微笑む。




「嬉しいの。ラファエル様と神様が分かりあえる日がきたことが…記憶を消されて一人何も知らなかった私が言うのもおかしいけど、きっとあの辛い過去の日々はこの時が来るまでの試練だったと思う」

「もう一生味わいたくない過去だ」


ラファエルは伏し目がちにそう言って私の手を取り、そのままラファエルの胸の中に引きこまれた。

まさか抱きしめられるとは思っていなかった私は周りの目もあり、あたふたと慌てるが、ラファエルは周りなど気にも留めずに私を抱きしめる。

こういうところは本当に昔から変わっていないのだとつくづく思う。


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