孤高の天使
たった一言なのに、それは私に絶対的な安心感をくれ、苦しいくらいに胸が締めつけられた。
緊張が解けた体は、ラファエルにもたれかかるように倒れ、ラファエルの首に腕を回して抱きつく。
「私もここにいるよ、ラファエル様。約束…守ってくれてありがとう」
抱きしめ返される腕の強さに、ラファエルもまた不安を抱えていたのだと分かった。
「俺は何年眠っていたんだ?」
ラファエルはふと私にそう聞いた。
「10年。けど、神様はラファエル様が目覚めるまでまだあと40年はかかるだろうって言ってました」
「50年も眠っているつもりなんてなかったけどね」
ラファエルは本気なのか冗談なのか分からない口調でそう言った。
「聖なる母樹に流れる聖力はとても強かった。その中には君の存在も感じていたよ、イヴ」
「私を?…っもしかして神様から…」
「やっぱり神に聖力をあげたんだね。ろくに飛べなかったのはそのせいか」
神と聞いたラファエルは私が飛べなかったのは神のせいだと言わんばかりに眉を顰める。
誤解をしているのかもしれないと思い、ラファエルに弁明するために慌てて口を開く。
「神様は私に引き継がせようとしたんだけど、私がそれを断ったの。だって、神になったらラファエル様だけの私でいられなくなるから。聖力を神様に託したのは私がそうしたかったからで、神様は責められるようなことは何もしていないわ」
「心配しなくとも、俺はもう神をどうこうしようなどとは考えていないよ」
意外にもラファエルはそう言って笑った。
しかし、すぐにその表情は曇る。