有明先生と瑞穂さん
「あ!瑞穂ちゃーん!偶然っ」

「ギャーーーッ!」



放課後、当番の掃除でゴミ置き場に来た瑞穂は予想外の人物にバッタリ出くわし盛大に驚いた。


「くくくく国見さんっ?!なんでこんなところにいるんですか?!校内ですよ?!」


瑞穂の反応にカラカラ笑う国見の後から有明も歩いてくる。


「ああ、何事かと思ったら瑞穂さんか」

「ふわぁぁあ!」


思わぬ三人が揃ってしまい、瑞穂は慌ててこの場を立ち去ろうとしたが国見が面白がってそれを止める。


「何しに来たんですかっ?!
ていうかよく学校に入れましたね・・・」

「ちょーっとここ通りかかったものだから、借りてたものを返しにね~」


そう言いながら国見は来た道を指差す。


ゴミ置き場の奥は教師の駐車場になっていて、有明の車に置きにきたらしい。

有明は車の鍵を開けるために一緒にいたようだった。



「わざわざ車に・・・?
そんな大きなものなんですか?」

「いや・・・俺の服・・・。
この間夜寒かったから俺も知らない間に勝手に着て帰ったらしくて」

「寒かっただけなのよ!妬かないでね」

「別にそれくらいで妬きません!」


いくら近くに寄ったからとはいえ、よく有明が校内に入れたものだと瑞穂は呆れる。

国見はどうも最近小浜の話をしてから状況を楽しむために口実を作って遊びに来ているとしか思えない。

よく小浜の様子を聞き出しては楽しそうに笑うのだ。


瑞穂からしてみれば笑い事ではないのだが――。
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