有明先生と瑞穂さん
しばらく迷っていたようだが、瑞穂の名前を出され観念したように話し出した。


「ウチは――・・・」

「おい祥子!!」


突然遮る声に有馬がビクリと驚き反応する。


声のする方を見ると口之津がこちらへ向かっていた。


「口之津先生だぁ。大丈夫だったのー?」

「おう、心配ありがとな。
それよりワリィ、話の邪魔したか?」

「・・・・・・ううん、大丈夫」


深江がニッコリと笑うと口之津はもう一度有馬に向き直った。


「人に怪我させて逃げてんじゃねーよテメー」

「う・・・・・・」


見ろ!と絆創膏のついた肘を見せる。


「口之津先生、頭打ったんでしょ?頭は大丈夫だったの?」

「とりあえず今は痛くねーけど、病院行ってみろってさ」

「そうだよねぇ」

「晴は体打ったくらいで大丈夫だったみたいだけど、祥子は後でちゃんと謝っとけよ。
アイツ逆にお前のこと心配してたぞ」

「・・・・・・」


いつも自信たっぷりの有馬には似つかわしくない程に口之津の言葉に落ち込む。

深江は内心、そこまでキツく言わないでも・・・とハラハラしていた。




「とりあえず今から病院行くから、お前は責任とって付き合え」

「!」


有馬がパッと顔を上げた。


「え・・・」

「お前から聞きたいこともあるしな」

「・・・・・・でもまだウチ、深江と話の途中だし・・・」

「いいよ、結は明日でも」

「深江・・・」


はじめは戸惑っていたが、口之津に急かされると一度申し訳なさそうな顔を深江に向け、立ち上がった。

それを深江は「いってらっしゃい」と笑顔で見送った。
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