有明先生と瑞穂さん
それでも布津はそのどす黒い気持ちを飲み込んだ。


だってこれは『仕方のないこと』だ―――・・・。


瑞穂のためにはどちらがいいのか歴然。



一度目を閉じで気持ちを落ち着かせ、全身の力を抜いた。




「後ろ開いてるから、乗って」


「だって、瑞穂。
お言葉に甘えてさ・・・・・・」






「んーー・・・

いや・・・いいです。有明先生」





「?!」


「え・・・?」


耳を疑った。

きっと布津だけじゃない。


「どーしてー?!乗ってけってー!!
布津も大変だろ?!」


加津佐も驚いたらしく声を上げた。

当たり前だ。
断る理由がないのだから。



「折角だけど、このまま帰ります。
ありがとうございます。
・・・でもごめんなさい!」


「・・・・・・!」



にっこり笑う瑞穂を見た有明はそれ以上言葉が出なかった。

隣で何か言いかける加津佐を静止して有明も笑顔を作る。


「・・・そう、わかった。
気をつけて帰ってね」

「はい!」



窓を閉めてそのまま加速して走りだす。



通り過ぎ様に布津がこちらを見ていたが、気づかない振りをして通り過ぎた。
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