有明先生と瑞穂さん
「ただいまぁー!」

息子の元気な声に、布津母はキッチンから顔を出した。

「おかえり大介おそかっ」

「ちょっと降ろして!!
なんで中でまでこのままなのよーー!!
恥ずかしいから降ろしてってば
おーろーしーてーーー!!」

「・・・・・・・・・」

「んだよ、恥ずかしがる必要ねーだろ」

「やだやだやだ!!
何で恥ずかしくないのよあんた馬鹿じゃないのほんと馬鹿じゃ」

「大介その子・・・」

「はっ!!
・・・こ、こんばんは・・・。
お邪魔します・・・・・・」

リビングから顔を出した母親が状況を掴めずに固まっている。


「かーちゃん覚えてる?
昔よく遊びに来てた瑞穂」

「えっ・・・・・・あ!ああ!
晴ちゃんだったかしら。
懐かしいわねー。
アンタ達まだ仲良かったのねー。


・・・・・・ていうかどういう状況なのコレ」

「ううう・・・だから降ろしてって言ったのに・・・・・・」


騒ぎを聞いて布津の父親と弟まで出てきた。


(穴があったら入りたい・・・)


布津の背中で身を縮めて顔を隠した。


「瑞穂が酔っ払いに絡まれて怪我してさー。
救急箱ある?
かーちゃん手当てしてやってー」


布津には恥じらいというものはないのか。


「アラッ!それは大変だったわねー」

「すみません・・・・・・い、家に帰ればよかったんですけど・・・」

「俺が呼んだんだよ」


小学校以来来ていなかったが布津家は少し懐かしい。

家具の位置などが変わり布津のお父さんとお母さんも歳を取った。

弟は相変わらず布津そっくりで、幼い頃の布津を見ているようだ。
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