剣舞
「オリビア・・・。
剣舞は、とりおこなってもらう事になる。」

オリビアの希望を失った瞳が、ヴァイスをみおろす。

「相手は・・・私だ。」

今にも泣きだしそうな瞳に、告げた自分の方が苦しくなる。

「すまない。オリビア・・・止められなかった。」

彼は、彼女の手を取り、その甲にキスを落として立ち去ってしまう。


彼女は、唇の触れた右手を左手の平で覆い呟く。


「今夜・・・日没後・・・岬・・で。」

彼が言い残した言葉だった。


 
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