6 L O V E .
「え」
「黙って来いよ」
さっきより腕を掴む手に力をいれるきょー。嫌でも男なんだって意識させられる。
あたしは結局なにも言えず、目的地まで来てしまったらしい。
そこには見覚えのないマンション。
「ここ、どこ?」
慣れた手つきでオートロックを解除しエントランスから中に入る、きょーに尋ねた。
「あれ、来たことなかったっけ?俺んち」
「は?きょーの家!?」
まさかとは思ったけど・・・。来た記憶はない。
「まあそーゆうこと。早く入れよ」
エレベーターに誘導され、きょーは12のボタンを押した。
あたし何やってんだろう。きょーが好きかもって意識したらうまく喋れないし、抵抗もできない。こんなに繊細なやつだったっけ?