手紙
「お、沖田さんっあの・・・あたし、今日はもう自分の時代に戻りますね」
笑顔で言ったはずだが、睦月の笑顔は沖田には引きつって見えた。
「帰る・・・んですか」
明らかに寂しそうに顔を下に向け、畳を見つめる沖田。
睦月もつられてなのか、同じく畳に目を向ける。
「本当は、ずっと沖田さんの側に居たいんですが、やはり新撰組の皆さんにも迷惑がかかります。それに、あっちの時代では、きっと家族があたしを探しています。帰らないと・・・・」
失敗した。
朝からこの話はきつかった。
だが、避けては通れない話。
いつ話しても同じだ。
睦月は下唇を噛み、早速こぼれそうな涙を堪えた。