ひなたぼっこ~先生の、隣~【続編】
「高橋先生」
「!」
「あの約束、覚えていますか?卒業する前の」
立川が、妹尾たちに聞こえないように言った。
「…あぁ」
3年の個人面談の時、立川が言ったんだ。
¨大学を卒業してから、妹尾さんがどっちを選ぶか勝負しましょう¨
「言っときますけど、俺はまだ学生ですからね」
「わかってるよ。けど、妹尾は俺の元に戻ってきたんだ」
「だから、勝ったと言いたいんですか?また、コソコソ付き合わなきゃいけないのに?」
「…お前は相変わらず、痛いとこをついてくるな」
「妹尾さんが教師として落ち着いてきて3年後、俺が医学部を卒業してまだ研修医だけど…それからが勝負ですね」
「おいおい…いい加減諦めろよ。年々、俺の勝ち目がなくなっていくだろう?」
「高橋先生、その頃には40歳になっちゃいますもんね。で、俺は外科医で年収1000万円を目指してるんで。ほぼ、勝算なしですね」
「う…」
3年後でも、まだ40歳にはならないし…
でもって、年収1000万には絶対ならないー…
本当に、勝ち目なしだ。
「っていうのは、冗談です」
「!?」
冗談!?
隣にいる立川を凝視しても、立川とは目が合わない。
立川の目線の先には、安川と楽しそうに会話している妹尾の姿があった。