桜色の初恋


器用そうで優等生っぽいような顔して。

やっぱ今時の子なんかな。


「ごめんなさい」



しゅんとしながらさくらがスポンジをおいた。

そんな顔すんなよ。

こっちが調子狂うじゃねぇか。


昨日といい、今日といい

俺はこの一人のガキにペースを狂わされている。


「まーお前に怪我がなくて良かったからいーけど」


ぽんぽんっと頭を優しくなでると

さっきまでの泣き顔は何処へやら・・

いつの間にか花のようにきれいに笑う。


ったく。

お前、そういう顔あんま男に見せるんじゃねーぞ。

襲われても知んねぇからな

なんて口に出したところで

「先生の変態」って言われるに決まってるから言わねーけど。



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