君がいれば・・・②
ガタッ


その物音でシンはキスをやめた。



瀬奈はシンのキスに酔っていて聞こえなかったのだが。



「シン様、そのような事はお控えくださいませ」



祖父に一番信頼されていて一番古い家政婦ならではの言葉だった。



「愛する人に久しぶりに会えたんだ 抱擁は当たり前の事だ」



家政婦に指摘されてシンは冷静さを見せながら言う。



「セナ様はまだやる事がおありですから」



瀬奈ははっとした。



そうだった……テーブルを拭いていたんだった……。



手に持っていたふきんを見て顔を真っ赤にさせた。



「シン様 セナ様を可愛がるのはよろしゅうございますが、大旦那様に悪い印象を与えないように気をつけてくださいませ」



瀬奈はその言葉を聞いて「あれ?」と思った。



韓国語は慣れていないから聞き間違い?



わたしを嫌っていると思っていたキムさんはもしかして……わたしの事を気遣ってくれているの?



「セナ様のお部屋はシン様のお部屋とは離れていますから」



それだけ言うと家政婦はキッチンへ行ってしまった。



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