君がいれば・・・②
「わたし……」


言葉がつまってしまう。



「もう何も考えないで セナは病気を治すことだけ考えていればいい」



セナの肩に両手を置いて顔を覗き込む。



「わたし……病気なんだよね……」



トラウマが病気だとは信じたくない。



怖くて発作みたいに苦しくなるけど大した事ないと思っていた。



「セナ、これから良い先生を探すから」



病気だと認めたくない気持ちはわかるが、げんにひどい発作を起こしている。



すべては俺のせいだ……。



あの時、俺のせいでセナはファンに刺されたんだ。



シンはそう思うと今まで実家で苦労させてしまった事を悔やんだ。



「……シン、日本へ帰りたいの」



瞳を潤ませた瀬奈がシンを見る。



「セナ、もちろん日本へはいつでも帰っていいんだ だけど今は俺から離れないで」



「わたしの事はもういいの」



瀬奈の口から出た言葉にシンは驚いて見つめた。



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