恋した私の負け(短)
気になる男がいると言われて。でも、まだ貴方も好きだから、選ぶ時間をくれと言われて。
律儀に待ってるこいつは救いようのないバカだ。
身勝手な彼女も、それでも好きなこいつも……そんなこいつを好きな私も、みんなみんなバカだ。
「だから今日の放課後暇なんだよねー。要、遊んでよ」
「……嫌だよ、傷心中のあんたの愚痴につき合わされるだけでしょ」
「飲み物くらい奢ってやるから!」
「パフェ食べたい」
「くっ、足元見やがって」
「彼女のためのバイト代があんでしょ?」
現実って言うのは、決まっていつも残酷だ。
彼は、なんでか私にしか彼女の話をしようといない。プレゼント選びも記念日のデートプランも、全部全部、私に助言を求める。