一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》
「…静か…だ…」
あたし以外誰もいない病室。こんなに世界は静かだったっけ?
―ガチャン
「…夢月、遅くなった」
扉に顔を向ければ、蓮が立っていた。蓮はコートを脱ぎながら、あたしのベッドの前に座った。
「ん…。遅かっ…ね」
あぁ…言葉を出すのが辛い。体が怠いのだ。
「…これ。買ってたからな」
―リンッ
小さく鳴る鈴。それはオレンジ色のお守りだった。
「難病祈願………」
オレンジ色のお守りに刺繍された難病祈願の文字。
これを買いに行ってくれてたんだ…。
思わず涙が出た。頬を伝ってベッドに涙の染みを作る。
「…夢月?どっか痛いのか?」
不安そうに見下ろす蓮に泣き笑いだけど笑顔を浮かべた。
「…違う…嬉し…の…」
蓮はいつもあたしを大切に、大切にしてくれる。
それがすごく嬉しかった。