不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「美尋……ちゃん?」


目の前に立っている派手な女子生徒。


「あたしの名前、覚えててくれたんだ?」


大きな二重の瞳。つけマツゲ。ツヤツヤのグロスの付いた唇。


美尋ちゃんは唇をほんの少しだけ開いて、微笑んだ。



「あたしも手伝うよ」


「……あっ……ありがとう」


腰を落として床に散らばった教科書を拾い集める。


まだ休み時間なのに、あたしと美尋ちゃんがいる空間だけシ―ンッと静まり返っているみたいな気がする。


何だか、ほんの少しだけ空気が重たい。


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