涙人
覚悟を決めドアノブを手前に引くと、小さな音を立てながらドアが開いた。
「うっ………!?」
その瞬間、部屋からする異臭に頭が痛くなった。
手で口と鼻を軽く押さえながら、ゆっくりと亜由那の部屋に向かって歩く。
「あっ…!!」
亜由那の部屋の入り口から見えた顔…
「亜由那…!!」
それは紛れもなく亜由那本人だった。
「亜由那… あたしが…亜由那を殺したの…?」
亜由那の手を握り呟く。
「答えてよっ…!! あたしっ…何も覚えてないの…!! ねえ、教えて!! 本当にあたしが…!?」