涙人


その時―…


志帆の口元がくいっと上がった。


……………気がした。


けれど、志帆の表情はすぐに元に戻り、志帆の瞳があたしの目を覗き込んだ。


「…大丈夫だって!! 時間なんていっぱいあるし!!」


…何か、いつもとは違う。


あきらかにテンションが高い。


小さな変化だけど、小学校からの仲だ。


あたしが気付かないはずがない。


「………あ、うん」


志帆の態度に違和感を覚えながらも、曖昧に頷いた。


< 53 / 88 >

この作品をシェア

pagetop