涙人
「どーしよ。あんな奴の為になんか泣けないし…」
大親友って事だったんだから、泣かないなんて怪しまれる。
当然、天音は泣くだろうし。
でも、うちは嘘泣きなんて出来ない。
どうしよう…
「おい」
突然後ろからかけられ、驚きながら振り向く。
そこには、うちと同い年くらいの男の子が偉そうに立っていた。
細くて明るい茶色の髪。
整った顔立ち。
すらりと高い背。
…そして、吸い込まれそうな程澄んだ焦げ茶色の瞳。