涙人


「雫!!」


うちは振り返り、雫を呼び止める。


「………いない」


そこには雫の姿なんてどこにもなくて。


見えるのは、わずかな街灯に照らされている、薄暗い道だけ。


「…何だったんだろ」


夢を見ていたのかもしれない。


でも―…


自分の頬にそっと触れてみる。


雫の手の感覚がはっきりと残っていて。


また会いたい、なんて思っているうちがいた。


……………


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