涙人




「麗」


後ろから雫があたしを呼ぶ声が聞こえる。


あたしはわざと聞こえないフリをして、ベッドに潜り直す。


「麗?」

「…」

「れーいー?」


雫が繰り返し呼びかけるのに耐えきれなくなり、あたしは冷たく言い放った。


「……うるさい。ウザい。邪魔しないで」

「んな事言うなよ。本当素直じゃないよなぁ」

「素直にあたしの気持ち言ってるだけじゃん」


あたしがそう言うと、雫は布団を剥ぎ取った。


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