涙人


「こっち向けよ」

「…嫌」

「何で?」

「…嫌だから」

「ふーん……」


はぁ、と溜め息をつき、雫はベッドに腰を掛けた。


相変わらず、重みがないような気がするけど。


「んな事言っていいの? 麗……」

「は…?」


雫の指先が耳に触れる。


「ひゃっ…!!」

「麗は耳が弱いっていうのは学習済み」

「止め…っ…」

「こっち…向け」

「い……や…っ」


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