涙人


「…おはよ、麗」

「……………はよ」


素っ気なく言うあたしを、雫は叱りつける。


「“はよ”じゃなくて“おはよう”だろ? んな事、幼稚園児でも分かる」

「…うっさい。話しかけないで。挨拶したんだからそれでいいじゃん」


そう言った直後、素直になれない自分自身に苛ついた。


「…ったく、素直になれよ… そう言う所、可愛げがないんだよ……」


雫がそう言った瞬間、胸がズキズキと痛むのがわかった。


さっきまで熱かった頬が一気に冷えていく。


「………っ…ごめ…なさ…っ」


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