Desire kiss

そこで、我が家の正義のヒーローが登場した。


「何やってるんだ?お前ら~」


お父さんだ。いつもの眠そうな顔をしてだるーと呟いている。その肩には美羽がのっていた。



どうやら割れたのは、花瓶らしい。


少し金額の高い、私のへそくりで買ったものですごくお気に入りだった。

って私が前に買ってきたあの花瓶!?と思ったけど卵焼きとウインナーで、かなり忙しい。


「おおおお父さん!今日は素敵な朝ですネ」

「ああ、かなり素敵な朝だぞ。おまえら、心菜が怒りで大爆発するぞー。謝罪の言葉考えとけ」

「「えーお父さんが考えてよー」」


ブーイングコールが、流れた。


「悪いな。心菜みたく、文章能力が発達してないんだよ。たぶんあいつは、母さんの遺伝だな」


俺はしらねえーっと声がする。




ああ、そろそろ、朝ごはんが完成する。

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