踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
戸塚のいる大使館から少し遠い場所──
後ろ手に手錠をかけられた戒(カイ)は、広い道路で男2人に両側から腕を掴まれていた。
「?」
一体、何をするつもりなのかと怪訝な表情を浮かべる。
そのとき、見覚えのある影がこちらにゆっくり向かってくるのを視界に捉えた。
「真仁(まひと)!?」
確認出来る距離まで近づいた人影に声を上げる。
「やあ」
青年はいつものように笑みを見せた。