私の愛した人
裏組織
気が付くとなぜかそこは外国の商店街。

私は噴水の見えるカフェのオープンテラスのお洒落な椅子に座っていた。

「気が付いたかー?」

私がまわりの景色に茫然としていると、頭上から聞き覚えのある声が聞こえた。

「可憐!」

私は飛び上がり、そこに立っている女性をにらみつけた。

軽くウェーブのかかった髪を胸のあたりで揺らして、可憐が私を見下ろしていた。

「ちょっと時間がなくてな。
こっちに来てもらった」

時間がなくてって…
それだけで外国に!?

どんだけお金を無駄遣いしてるんだ…

そんなお金があったら日本の借金返済に使ってほしい…

「まぁとりあえず場所を移動するぞ?こっちにこい」

可憐は手を伸ばした。

「いや!
触らないで!」

━━信用してたまるか!

私はギュッと目をつむった。

「おいっ!こ…興奮するな!」

可憐の慌てふためく声が聞こえる。

私は無視して腕を振り回した。

「ぉっ…!?ぉちつけ…!!」

可憐の声が遠ざかった。

というか上の方から聞こえる。

上の方…?

私は右目をうっすらあけてまわりを見た。

ザバァッッッ!!!!
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