私の愛した人
「なっ…何これッ!?」

目の前には…いや、私のまわりには水の壁が渦巻いていた。

「さ……!!さ…くら!!」

上の方から声が聞こえる。

見上げてみると十メートルくらい上だろうか?

可憐が水に押し上げられて、溺れかけている。

「可憐!?どうしてそんなところに!?」

「早く…ゲホッ…お…ゴボッ…ろせ!」

可憐は必死にもがいてる。

「そんな…!?どうすれば…」

私はまわりを再び確認した。

━━水はいったいどこから流れてるの!?

私の視界のはじにうっすらと影が見えた。

影の方から水があふれだしてくる。

━━あそこは確か噴水があった場所…噴水から水があふれてるの?

私は噴水の方へとかけた。

不思議なことに私が近づくと水の壁は開いて私の前に道を作った。

━━なにがどうなっているの!?

頭に浮かぶたくさんの疑問を今は全部無視して、私は噴水のまわりを調べた。

「元栓とかないの!?」

私があわてるほどに水の勢いは増し、水位も上昇した。

「お…ちつ…け…!!」

可憐の声が遠くから聞こえる。

「こんな状況じゃ落ち着けないよっ!」

私はヒステリック状態になって叫んでいた。
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