私の愛した人
「あまりそんな口をきいていると今日のおやつはあげませんよ?」

は?おやつ?
なにその可愛らしいワード?

「…いじわるね」

御冬さんはなぜか少し小さな女の子みたいな言い方をした。

えっそんなんでおとなしくなっちゃうの!?

なにその乙女チックなツボ!?

私がツッコミたいところがありすぎてあたふたしていると、御冬さんの冷たい言葉が飛んできた。

「落ち着きのない汚い鼠ね…
どうせなら基地に着くまで意識が戻らないくらいにやっとけばよかったわ…」

「確かに御冬さんが手加減するなんて珍しいですね?
僕の時なんか半殺しだったのに」

「あんたは男だからよ」

わー…
すごい会話…

五島さんも私と同じように連れ去られたんだ…

私はその時の五島さんを想像して身震いした。

蹴り一発でよかった…



しばらくして車を動かす何かも止まり、私はまた五島さんに抱えあげられ、どこかへ運ばれていく。

さっきはこの二人の変人トークに反応しまくったから忘れていたけど、私拉致られていたんだった!

「どこにつれていく気!?」

もう一度声を荒げて二人に怒鳴り付けた。

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