殺伐少女【短編】
「ホレッ!」
「へ?」
「何間抜け声出してんだよ!」
「・・・・・?」
「は!?わかんねーのか!?ゲームだよゲーム!!」
奏也の適当すぎる説明を聞いて、ゲームがスタートした。
奏也はずっと
「あ!!てめぇ!!もう必殺技使いやがって!!」
とか
「あーもーくそっ!!もう一回!!!」
と言ってはゲームを何度も私にやらせていた。
楽しかった。
友達と遊ぶのはこんなに楽しかったんだとも
実感した。
それからずっと奏也と遊んでいた。
私はただ
奏也との時間を
楽しいと
思っていただけで
こんなに大切な時間
だったとは
思っていなかった。
そして
これが幸せなんだという事も
思ってもいなかった。
まだ―――
この時は――