刻の無い少女
「ふぁ~」
大きなあくびをひとつ。
「もうそろそろおねむの時間じゃのぅ。」
「まだまだ…だい……じょ…ふ…。」
目を擦りながらも眠りかぶれの鵯は舌足らずな口調でしゃべっていた。
黒猫もやれやれといったように腰を上げた。
「ほれ、行くぞ。」
「まだ、やだ。もっといろいろ見たい知りたい。そうしたら………う…ろに……めい…わく………かけ…な…い。」
「……?
座ったまま寝るとは器用じゃの。だが…どうやって運ぼうか…。」
もちろんちっぽけな黒猫が人を運ぶことなど無理である。
だから、といって人に化けられるような能力は持ち合わせていない。
考えあぐねた末、黒猫は――――