刻の無い少女
「はぁー。」
「う~ん…。うろ、おはえり……。」
白那の着物を掴みすりすりと猫のように甘える鵯。それはどんな人にも小さな庇護欲を掻き立てた。
「どうやら、刻刈りと勘違いしておるようだのぅ。」
「!刻刈り、だと!?」
目を見張る白那を見て、珍しいものを見たと黒猫は自分の珍しいこと日記に付け足した。
「もう刻刈りではなく【虚】と名乗っているそうだ。」
「虚ねぇ。で、その虚とは会ったんですか?」
「今はいないようだ。食料調達といったところかな。」
「そうですかね。あんがい隠れて刈りでもしているのでは」
「そうだとしても、刈りをしてなんになる。」
「さて?ねぇ。」
不適な笑みを微かに浮かべた。