幸せの見つけかた
 『カンカン』




久しぶりに、ヤカンを叩いた。



コトコト…





「ご無沙汰してます、良平さま。」



「久しぶり、二宮。」



なんとなく、二人で笑った。





「色々、ありがとな。わがままなバアちゃんに付き合ってもらって。 俺も… 随分助けられたよ、お前に。」




「とんでもございません。私は、ハルさまと良平さまを繋ぐという仕事を、精一杯つとめさせて頂いただけです。 それに… わがままなんて言ってないと、お婆さまがおっしゃってますよ。」



「ははっ! …なぁ、バアちゃんは昔の香織さん、知ってたんだよな?」




「もちろんです。香織さまがいなくなった後の、良平さまの落ち込みがひどくて。 立ち直らせるのが、大変だったそうですよ。」







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