1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
あたしは振り返って伝えると、杏さんはつまらなそうな顔をして出てきた。
「予定変更。皆吉、ラミカちゃんを強く抱擁して」
「あ、杏さん?」
「かしこまりました。ラミカさん、失礼します」
「え? え!? ちょっと!!」
そこまで忠実なのはいかがなもんですか!?皆吉さんはあたしの腕をひくと、グッと強く抱き締めてきた。
「そのままの状態で10秒ほど待っててね!」
そう言うと、杏さんは奥の部屋へ消えて行った。
「離して下さい!」
「静かに。杏様の考えていることも、やろうとしていることも分かります。もう少しだけ杏様のわがままに付き合って頂けませんか?」
え?じゃあ、杏さんが見はっていたことも最初から気づいていたの?
そうして言われたまま、皆吉さんの胸の中で大人しくしていると、急に玄関の扉が開いた。
「あ……」
目が合った瞬間、お互い言葉を失って固まる。開かれた扉の先には
驚いた表情をした聡ちゃんが立っていたから。