先生～あなたに届くまで～

深まる想い

こうして先生と
目が合ったと感じた日から
１週間が過ぎた頃


私は自分の気持ちに気付いた。


あの日の先生の涙の理由も
“美幸さん”が誰なのかも

知りたいことは一つもわからないまま。

一つも聞けないまま。


そして好きだと気付いたからといって
何をすることも出来ないまま

１カ月が過ぎた。


そして今日の朝のような
挙動不審ともいえる行動をとることが
多くなった...。



“あぁ゛何してんだろう...。”



「....雪音ー!!
　雪音さーん!!」

「また聞こえてないわね。」

「雪音ーーーーー!!」

「うわっ!!
　何!?何で叫ぶの!?びっくりしたー!!」

春菜の声で我に返った。