真輔の風
「あ、こいつだ。こいつがあの時のリーダーだ。
それに次の奴も覚えている。
こいつもいた。」
真輔は、祖父たちの話も聞いていたが…
画面に見入っていた。
そして見覚えのある顔と遭遇した。
真輔の言葉に高橋も画面を見た。
栄作も身を乗り出して覗いている。
あの時は6人いた。
しかし、コンピューターの資料には二人の写真しか入っていなかった。
「こいつらは山城組の組員です。
こっちは角田と言いまして前科二犯のチンピラです。
二件とも恐喝で捕まっています。
こいつは谷屋、婦女暴行で捕まった奴です。
多分他の奴らは準構成員でしょう。
全員でも7・8人の組です。」
横原刑事が栄作と真輔の顔を見ながら説明している。
「山城組というのは。」
社会から離れて久しい年金生活者の栄作だったが、
真輔の影響か、すっかり現役時代を思い出しているようだ。
「はい、新開地のはずれに山城商事という事務所を構えています。
一応山口組に属していますが…
二・三件のスナックを持っていて悪どい商売をしています。
が、それだけでは今時の極道は生きていかれません。」