真輔の風
「うん、そうだけど…
まだ連絡がないから、意識不明のままだと思うから… 」
「だからこそ、お前の風を吹き込んでやるべきだろう。」
「僕の風。」
「そうだ。お前が側に行って、
お前のエネルギーを吹き込んでやらなければ、
なかなか意識が戻らないぞ。
友達なら時間が許す限り側にいてやれ。
さっきの友達もかなり心配していたようだから誘ったらどうだ。
龍雄は平気で学校をサボるほど心配してくれる友達がいて幸せな奴だと
教えてやらなければ、眠ったままだぞ。」
「うん… 」
真輔は困った。
どうやら真輔の様子から、勘の鋭い祖父は、
今から真輔が誰かに会いに行くことを察知して、
それをとめようとしているようだ。
もう危険なことは終わりだ、後は警察に任せればよい。
重傷を負っている友達のことだけを考えろ、
と言われているみたいだった。
昨日の今日だから…
しかし、真輔はもう決めていた。
吉沢百合子に生徒手帳を持って行く。
話を聞かなくては、喉に骨が詰まっているみたいで落ち着かない。
暴力団が絡んでいるのならなおさらだ。
あの子は… 悪い子には見えなかった。
だから龍雄も助けたのだ。