僕の愛した生徒
学校では期末テストが終わり、
僕はその採点や成績処理に追われながら、近づく個別懇談の準備で忙しさが増していった。
奈菜ともゆっくりと過ごす時間が作れない。
でも、奈菜に寂しい思いをさせるわけにはいかない。
だから、仕事が終わったら電話をするし、いつも以上にメールもした。
奈菜は僕に
“学校で会っているんだから気にしなくても大丈夫だよ"
“ちっとも寂しくないよ"
なんて笑うけど、
僕は少しでも奈菜を…玲香を感じていたかった。
それに
過去と同じ過ちを繰り返したくはなかった。
もう二度と…
玲香を失いたくない。