僕の愛した生徒
そして始まった個別懇談。
僕と奈菜は向き合って座る。
奈菜は机に肘をつき、両手で顔を支えながら
ファイルやプリントを捲る僕をニコニコ嬉しそうに見つめていた。
そして
「先生が先生みたい」
と、はしゃいだ。
そんな奈菜に僕が、首からかけている高校名と
“ 教諭 小野秀平 "
と書かれた名札を見せると、
奈菜は“それが何?"とでも言いたそうに首を傾げた。
「一応、先生なんだけど?
しかも、担任」
僕が誇らし気にそう言うと、
奈菜は
「そうだったんだ。
知らなかった」
と感心したように見せて笑った。
奈菜が目の前にいると、なんかペース崩れるよな。
僕は頭を掻きながら苦笑い。
でも、仕事は仕事。
僕が教員モードのスイッチを入れ
本題に入ろうと成績票に目を落とすと、
ニコニコしていた奈菜の顔が急に曇った。