僕の愛した生徒
“全く寂しく無かった”と言えば嘘になる。でも、きっと奈菜程の寂しさを僕は感じていない。
僕は奈菜の問いかけをはぐらかし
「僕も奈菜を充電〜」
と奈菜に習って奈菜を抱きしめた。
「先生、大〜好き」
奈菜は僕の胸に顔をうずめながら甘えた声を出す。
初めて聞いた奈菜の言葉。
嬉しいと思うと同時に、
僕に重たい何かがのしかかったのを感じた。
僕は奈菜を抱きしめている腕に更に力を込め、
「僕も…僕も奈菜が好きだよ」
奈菜の耳元で小さく囁く。
「どのくらい?」
思いがけない奈菜の問い。
僕には一瞬の戸惑いが隠せなかった。
けれど、奈菜はそれに気付かず
「いっぱい?」
とあどけない表情で僕に尋ねる。
「いっぱい」
僕は答えた。
「でもね、私の“好き”は、先生の“好き”より大きいんだから」
奈菜は僕を見上げて無邪気に笑った。
奈菜のその仕草に僕の胸が
また、チクンと痛んだ。