僕の愛した生徒
僕は奈菜がマネージャーの仕事を終わるのを待って、
奈菜の帰宅準備も終わると僕たちは車に乗り込んだ。
付き合い始めの頃は、車の助手席に座ることに躊躇っていた奈菜。
しかし、最近では少しづつ慣れて
今はハンドルを握る僕の隣に上機嫌でちょこんと座っている。
「先生?」
「何?」
僕が奈菜の方をチラッと向くと奈菜はニッコリ。
「先生?」
「だから何?」
もう一度、奈菜を見ると
「何か呼んでみたくなっちゃった」
と奈菜は、はにかんで笑った。
一体、何なんだ?
僕は前を見ながら、そんな奈菜に呆れるように笑う。
「ねぇ、先生?」
奈菜は懲りずにまた僕を呼ぶ。
「今度は何?
運転中なんだけど」
僕は面倒くさそうに返事して、車を路肩に止めて奈菜を見る。
すると奈菜は瞳を輝かせながら、柔らかい笑顔で僕に尋ねる。
「私のどこが好き?」
奈菜の唐突な質問に困惑する僕。
“どこ”って言われてもな…
こんな時は“全部”って言う方がいいよな?
でも、奈菜のことだから具体的に聞き返されそうだし。
僕は少し考えた後で奈菜に答えた。