僕の愛した生徒


「そうだな…真面目で一生懸命なところかな」


「それだけ?」


「あと、何事にも努力しているところ」


僕の答えに


「へぇ〜そうなんだ」


奈菜は満足そうな表情を浮かべ、
僕は安堵した。


そして僕も質問返し。


「じゃあさ、奈菜は僕のどこが好きなんだ?」



ついノリで言ってしまったけど、
33歳にもなったいい大人が何を口走ってるんだろう。



質問返してしまった自分に引きながら奈菜を見ると

奈菜は深刻な顔をしている。



奈菜も僕に引いているのか?



「奈菜?」

僕は声をかけた。


しかし、奈菜に反応は無く難しい顔をしている。



奈菜にとって、そんなに難しい質問だったのか?

奈菜につられてつい聞いてしまった事とはいえ、そんなに真剣に悩まれると、ちょっとヘコむ。



カーステレオから流れる音楽がやけに響き、二人だけの空間を強調する。


続く沈黙の中、僕は奈菜の答えを諦めようと、もう一度、奈菜の名前を呼ぼうと僕が奈菜の方を見ると、奈菜と視線がぶつかった。


すると、奈菜の険しかった顔に
あどけない笑顔が広がった。
< 48 / 207 >

この作品をシェア

pagetop