僕の愛した生徒
「そうだな…真面目で一生懸命なところかな」
「それだけ?」
「あと、何事にも努力しているところ」
僕の答えに
「へぇ〜そうなんだ」
奈菜は満足そうな表情を浮かべ、
僕は安堵した。
そして僕も質問返し。
「じゃあさ、奈菜は僕のどこが好きなんだ?」
ついノリで言ってしまったけど、
33歳にもなったいい大人が何を口走ってるんだろう。
質問返してしまった自分に引きながら奈菜を見ると
奈菜は深刻な顔をしている。
奈菜も僕に引いているのか?
「奈菜?」
僕は声をかけた。
しかし、奈菜に反応は無く難しい顔をしている。
奈菜にとって、そんなに難しい質問だったのか?
奈菜につられてつい聞いてしまった事とはいえ、そんなに真剣に悩まれると、ちょっとヘコむ。
カーステレオから流れる音楽がやけに響き、二人だけの空間を強調する。
続く沈黙の中、僕は奈菜の答えを諦めようと、もう一度、奈菜の名前を呼ぼうと僕が奈菜の方を見ると、奈菜と視線がぶつかった。
すると、奈菜の険しかった顔に
あどけない笑顔が広がった。