僕の愛した生徒


それからの夏休みは

研修があったり、部活の合宿や遠征もあって、思うように奈菜と会うことは出来なかったが、

携帯電話とゆう便利な機械で僕たちは繋がっていた。


たまに逢うのは視聴覚室。

その前に、僕は奈菜に英語の教科書とノートを持って来るように言う。


「補習でもするの?
私、英語の成績はそれほど悪くないと思うけど……」


そう漏らす奈菜。


「そんなこと分かってるよ」


僕は当たり前のように言う。

だって、その成績を付けたのは僕なんだから。


「じゃあ何で?」


奈菜は不思議そうな顔で首を傾げる。


「いいから持って来いよ」

僕は理由も言わず奈菜にそうさせた。




こっそりと会う視聴覚室。


僕と奈菜は机越しに向かい合って座る。

そこで僕は奈菜に教科書とノートを開かせ、奈菜は勉強をする態勢に入った。


「奈菜、今度どこへ行こうか?」


「へぇっ?」


間抜けな返事をして顔を上げた奈菜。


「勉強じゃないの?」


「そんなの奈菜と二人の時までしないよ。ってゆうかしたくない」


「何で?」


「じゃあ聞くけど、奈菜は僕と二人の時でも勉強したい?」


首を横にふる奈菜。


「そうだろ?」


奈菜は僕の言葉に頷いて、机の上を片付けようとした。


「奈菜、それはそのままにしとけ」


僕は奈菜の手を止めさせ、

そのまま僕たちは机を挟んで取り留めのない話を続けた。
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